カラ売り師の信念で、株価が踏み上げられる
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株価が急騰し、カラ売りが増えて、貸株注意喚起が出て、さらに新規貸株申し込み停止。
あまりにも急激に貸株が増えたため、極めて深刻な貸株不足が発生。
そこで逆日歩の倍率10倍適用になって、逆日歩の上限が10倍に引き上げられる。
売り玉の持ち主は毎日毎日、高い逆日歩を支払い続けながらも、なぜか買い埋めせずに、売り玉を持ち続ける。
株価が急騰しているので、含み損もあっと言う間に増えて、売建額以上の損が発生している。
売り建てたときの株価から、株価が2倍になると含み損は100%。
つまり30万円分の売り建てがあれば、損益はマイナス30万だ。
買い側から見ると、こんな悲惨な状況になるまで、よく売り玉を握っていられるなと思う。
うねり取りのような、売り買いの両建てをする投資法では、上がったら買い建てを増やし、下がったら売り建てを増やす。
株価が上昇トレンドの場合は、買い建てをどんどん増やして、売り建てを切っていくのだ。
ところがカラ売り中心のトレーダーは、両建て投資をしているわけではないらしい。
たとえ買い建ててヘッジしたとしても、「株価は絶対に下がるという信念」で、売り玉を精算せずにずっと持ち続ける。
というのも、株価のピークで買い返済すると、損失が最大になってしまうから、株価がピークを過ぎて、ドーンと下がるのを待っているらしい。
その結果、株価が2倍以上になって、買い側トレーダー達の利確が進んでも、貸株の返済がなかなか進まず、信用倍率(貸借倍率)がいっこうに改善しない。
恐怖の逆日歩倍率10倍適用
カラ売り中心に売買しているカラ売り師(いわゆる売りブタ)は、株価がいくら急騰しようが、貸株返済をずっと先延ばしにする。
というのもカラ売り師は損切りするにしても、株価のピークを過ぎて、大幅下落するのをじっと待つからだ。
上がり続ける株というのはないから、間違って株価のピークで返済すると、とんでもない大損になってしまう。
そう思って、祭りが終わるまで、損切りを先延ばしにするらしい。
それにしても、株価が2倍になり、逆日歩の最高料率が10倍になり、損益がマイナス100%になっても、損切りしないというのだから恐れ入る。
買い側の感覚でマイナス100%と言えば、買い建てた企業が倒産したのと同様だから、とんでもない含み損のはずなのだが。
しかしカラ売り師が売り玉を握り続け、買い建て側が利益確定し始めると、貸株は減らず、融資は減るわけだから、貸借倍率はいつまでたっても上がらない。
そして10倍に最高料率が引き上げられた逆日歩の満額状態が何日も続くことになる。
もちろん、株価急騰に後乗りする買いや、逆日歩10倍目当ての買いも続くので、利確組の売りを吸収してさらに上がっていく。
こうなると、カラ売り側もどんどん苦しくなって、証券会社から追証を求められたり、強制決済で泣く泣く馬鹿高い価格で売り玉を買い埋めする羽目になる。
さらに売り禁でも一日信用カラ売りができるが、カラ売りしてもすぐにストップ高に貼り付けられて、翌営業日に強制決済で成り買い埋めになる。
これが「恐怖の逆日歩10倍適用」の踏み上げ相場ってことだな。