2009年起点で、
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日経平均株価やTOPIXが上がったり下がったりするのには、外国人投資家の存在が欠かせない。
外国人投資家が日本株を買うと上がるし、売ると下がる。
一説には、海外の資金が5~6兆円ほど流れ込むと、日経平均が2,000~3,000円ほど上昇し、この資金が流出すると日経平均が2,000~3,000円ほど下がると言われている。
そうは言うけれど、実体はどういう感じなのか。
外国人投資家の資金は、どういった感じで出入りしているのか。
東証のデータを利用して、見て行くことにする。
ただ、あまり古いところからのデータを見ても参考にならないので、2009年以降を見る。
2009年を起点にした理由は、2007年にBNPパリパショックがあり、2008年夏にはリーマンショックがあったため、この辺りが海外の資金が一番抜けた時期だと考えられるからだ。
2007年から2008年には、世界の株式市場から巨大な投資資金が、国債や黄金に逃げ出してしまったので、必要最小限の資金しか、日本の株式市場には残っていなかったはず。
ということで2009年からの月次データを集計して、累計データをグラフ化してみたら、次のようになった。
投資部門別売買累計グラフ(2009-2017)
※クリックすると大きな図で見ることができます。
※データは投資部門別売買状況(JPX)などより作成。
左軸は部門別売買累計で、単位は「百万円」。
海外・外国人投資家の買いは、2009年の春頃から買い優勢になり、民主党の鳩山政権が誕生した翌年には、およそ5兆円の買い越しになっている。
さらに民主党の菅直人政権になった2010年末からは、さらに数兆円の買い越しになって、2009年初めと比べると、9兆円の資金が日本市場に流れ込んでいた。
後でまた述べるが、2010年末は、日本の株式市場にとって、ある大きな変化が起こっている。
それが「日銀のETFの買い入れ」だ。
日銀のETF買い入れが始まったのは、菅直人政権だった2010年末で、それ以降、年間4,500億円規模で日本株を買い支えてきた。