日銀のETF買い入れがなければ、日経平均株価はいくら?
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日銀によるETF買い入れは、一体いくら日経平均株価を押し上げているのか。
日銀のETF買いがなければ、日経平均は今どのくらいの位置にいるのか。
これは今後の日経平均の行方を考える場合に、重要な目安となるはずだ。
日銀のETF買い入れは、2010年末に、菅直人政権下で始まった株価下支え策だ。
年間、1兆円くらいを上限として、株価が大きく下がったときには買い支えに入る。
目安としては、前引け時点で日経平均が1%くらい下がった場合、後場に買いを入れた。
規模としては140億円から250億円程度。
それが安倍政権になってからは、金融緩和の名の下にドンドン拡大された。
年間のETF買い入れ上限は1兆円から3兆円に拡大され、さらに6兆円まで拡大された。
年間6兆円の買い入れ枠を消化するため、株価が0.5%下がったくらいでもETF買い入れが行われた。
株価がさほど下がっていなくても、円高で調整するタイミングであっても、買い入れされたりした。
その結果、2017年末には、累計でおよそ17兆円もの資金が東証一部に投入された。
2018年現在、日経平均株価の行方を考える時、日銀のETF買い入れ策が、いつまで続くのかが大きな焦点になる。
というのも日本景気が回復し、インフレ基調になれば、金利も上がらないといけないので、金融政策は金融緩和から金融引き締めに変更せざるを得ない。
日銀が買い入れたETFをすぐにも売り出すとは考えにくいが、買い入れは継続しにくい。
日銀が金融緩和を減らす(テーパリング)のは、もう時間の問題で、そうなると、日経平均株価はどうなるのか。
2009年の年初を基準としてデータを取ってみると、2017年末には、およそ47兆円の資金が東証一部に流入している。
その様子が次のグラフだ。
日経平均株価と、投資部門別売買累計(2009年の年初基準)
内訳は、外国人投資家によるものが約22兆円、事業法人による買い越し(主に自社株買い)が約8兆円、そして日銀によるETF買い入れが約17兆円。
となると、日銀のETF買い入れがなければ、流入資金は30兆円レベルになり、そのときの日経平均は、1万7,000~1万8,000円くらいだ。
つまり2017年末現在では、日経平均は5,000~6,000円くらい押し上げられてるって事だね。
因みに、個人はおよそ35兆円の売り越しになっている。
株価が下がらないから、買うタイミングがないみたいだ。