イギリスEU離脱で、日経平均株価が大暴落
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イギリスが、EU離脱の是非を問う、国民投票を行った。
その結果、離脱票が存続票を、わずかに上回った。
国民投票を公約して実施したイギリス保守党のキャメロン首相も、敗北を認めて辞意を表明した。
これによって、イギリスは、新たな首相を選出して、EUからの離脱交渉をスタートすることとなった。
これによってイギリスの通貨であるブリティッシュ・ポンドは、大暴落して日本円が急騰した。
ユーロ不安も広がり、ユーロ売り日本円買いが進みそれがドル円の為替レートにも及んだ。
ここ数年のヘッジファンドは、何かあると、円買い・日本株売りという自動売買プログラムを組んでいて、それが急激に実行されたのだ。
そこでほんの一瞬だが、ドル円の為替レートも、1ドル=106円台から99円台に急騰し、その後も1ドル=102円前後で推移した。
ドル円為替レート、一時1ドル=100円割れ
イギリスのEU離脱派の勝利がほぼ決まった瞬間、1ドル=99円台に突入。
金曜日と言うこともあって、日経平均株価も1,200円もの大暴落を起こし、東証一部の99%の銘柄が暴落した。
日経平均の日足チャート(2016/06/24)
特にイギリスに工場や拠点を置いて、EU諸国に製品を供給している日産自動車の株などが急落した。
日産自動車(7201)の日足チャート(2016/06/24)
イギリス国民は、なぜEU離脱を求めているのか
イギリスのEU離脱の是非を問う投票で、離脱派がわずかに上回った。
この背景には、EU地域内の経済格差と、税負担の不公平があるという。
というのもイギリスは、北欧諸国と並ぶ、高負担・高福祉国家である。
イギリス国民は、高率の所得税と、付加価値税(消費税)を払い、それで高福祉を実現している。
イギリス国民であれば、学校で教育を受けたり、病院などの医療施設も無料で使える。
第二次世界大戦でイギリスは、ドイツ軍の空爆によって、工場などの生産施設が破壊された。
国も戦費によって対GDP比250%もの負債を抱えた。
このままでは経済が回らず復興が難しいと言うことで、イギリス労働党のアトリー内閣は、基幹産業をどんどん国有化して、医者や看護婦などの医療関係者も国家公務員にした。
これによって国民に仕事を与え、教育や医療サービスを無料で提供する体制を整えたのだ。
ところがそれを良い事に、EU加盟後に加盟国の国民が、大量にイギリスに流れ込んだ。
というのもEU加盟国の国民であれば、自由にイギリスに来ることができて、イギリス国民と同じように教育をタダで受け、病院もタダで使えたからだ。
そのせいで毎年毎年、20万人ものEU加盟国民が、イギリスにやってきて住み始めたのだ。
ところがこの外国人は、所得税などの税金は負担しないから、教育予算も医療予算も増やせない。
付加価値税も基礎食品は非課税だから、イギリスに流入したEU市民からは税金が受け取れない。
そのせいで学校も病院も大混雑で、イギリス国民に大きな不満が生まれていたらしい。
イギリス国民が金を出して支えている高福祉サービスを、外国人がタダで利用し、稼ぎも税金も母国に送っていたなら、そりゃあEU離脱したくなるのも当然か。