裁定取引と、日経平均のトレンド

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東証一部銘柄でトレードしている人にとって、日経平均やTOPIXの動向は非常に気になるところだろう。

 

というのも先物取引と現物株を組み合わせた裁定取引で、個々の銘柄の株価も日経平均やTOPIXの動きに引きずられてしまうからだ。

 

日経平均225先物とは、日経225銘柄の平均株価を売買するもので、機関投資家などが保有株のリスクヘッジのために利用する先物だ。

 

数千億円もの資産を運用している機関投資家は、基本的に配当目当てで株を持っている。

 

生保や年金などの機関投資家の場合は、値上がり益よりも配当利回りで株を買うので、保有株の価値が下がっても、簡単にたたき売ることができない。

 

というのも配当が変わらず株価が下がれば、配当利回りは上がるから、利回りで売買している機関投資家は売りではなく買いになってしまうからだ。

 

つまり機関投資家は、株価が上がる=運用利回りが悪くなる、ということになるので「売り」。

 

逆に、株価が下がる=運用利回りが良くなる、ということで「買い」になるわけだ。

 

しかし日経平均が下がって株の評価額が下がるのもマズいから、代わりに日経平均先物をカラ売りして「売りヘッジ」をしたりする。

 

さらにヘッジファンドなどは、先物と値がさ株を反対売買して、その差額を取ったりする。

 

値がさ株とは、日経平均などの指標への影響力が大きな銘柄のことで、日経225の場合は、ファーストリテイリングやソフトバンク、ファナックなどの高額株価銘柄を指す。

 

たとえば先物が下がれば、安い先物を買って、同じ金額だけ高い現物の値がさ株を売ると、その差額が利益になる。

 

逆に先物が騰がれば、高い先物を売って、同じ金額だけ安い現物の値がさ株を買うと、その差額が利益になる。

 

そのため、先物が大きく動けば、現物株はそれに引き寄せられていく。


騰落レシオとは?

東証一部の銘柄を売買するなら、日経平均のトレンドも考慮に入れないといけない。

 

というのも東証一部銘柄は、たいていの場合、何らかのファンドに組み込まれているため、日経平均やTOPIXのアップダウンに引きずられがちだからだ。

 

しかしどうやってトレンドを読めば良いのか。

 

その一つの指標として上げられるのが「騰落レシオ」だ。

 

騰落レシオとは、株価が上がった銘柄数と、株価が下がった銘柄数の比率だ。

 

計算式は、上昇銘柄数÷下落銘柄数になる。

 

つまり上昇銘柄の方が多ければ騰落レシオは100%以上になり、下落銘柄の方が多ければ騰落レシオは100%より低くなる。

 

そして通常は、5日騰落レシオと25日騰落レシオという2種類が使われる。

 

5日騰落レシオは、「5日間の値上がり銘柄数の合計÷5日間の値下がり銘柄数の合計」になる。

 

この騰落レシオが120%を超えると過熱感があるとされ、120%を割れると上昇トレンドの終了が考えられる。

 

逆に騰落レシオが80%を下回ると売られすぎで、そこから80%を超えてくると下落トレンドの終わりが見えてくる。

 


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