日本株のピークは、2015年夏だった
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日本株には米国株並みの成長性が期待できない。
となると、外国人投資家が日本株を積極的に買うわけがない。
内外の機関投資家が配当期待で株を買う場合は、株価が十分に下がって、運用利回りが良くなったときだろう。
ただし利回り基準で買う場合は、高値を追って買うことはしない。
というのも株価が上がれば、運用利回りが悪くなるからだ。
高値追いして株を買うのは、値上がりを期待して買う場合で、成長性が弱い日本株は、原則として買われにくいわけだ。
そのため株価の上昇がピークを迎えた2015年夏頃からは、積極的な日本株の買い手がいなくなった。
また、原油安によって、歳入不足に陥った産油国が、手持ちの外国の債券や株などを、どんどん換金する動きも出てき始めた。
そのため2015年後半からの月足は、長い陰線が何本も現れ始めた。
日経平均株価の推移・月足チャート(2006-2016)
通常、オイルマネーで潤っている産油国は、債券や株の巨大な買い手であったが、その巨大な買い手が売り手に回っているので、日本株を買い支える勢力などいないのだ。
一方、ドル円の為替レートも、似た形で右肩下がりになった。
ドル円・為替レートの推移・月足チャート(2006-2016)
これは外国人投資家が日本株を売るとき、為替リスクヘッジの円買いが発生するからで、アベ・バブルで日本株を買った外国人投資家が、日本株を売って資金を引き揚げてるからだろう。
円高ドル安トレンドは、とっくに始まっている
日本の株式市場では、外国人投資家が増えると、株価と為替レートが連動しやすくなる。
これは外国人投資家が、ドル建てで投資を行うため、株を買うときに同額の円売りを行って、為替リスクをヘッジ(防止柵)を建てているからだ。
そのせいで「日本株買い・円売り」「日本株売り・円買い」が起こり、円安=株高や、円高=株安という連動が起こる。
となると、日本株がこれから騰がるには、日本企業の業績アップか、円安が必要となるわけだが、業績アップはなかなか見込めない。
一方、円安の方も、残念ながら期待出来ない。
と言うのも為替・FXの経験則として、実質金利が高い方の国の通貨が買われるという現象が起こるからだ。
それでは2016年6月時点で、日米の実質金利を調べて見ると次のグラフのようになる。
日米の実質金利の推移(2008-2016)
※クリックすると、別ウインドウで大きなグラフがご覧になれます。
実を言うと、2015年の5月くらいまでは、日米金利差は1%くらいあったのだが、2015年末から日米の金利差は逆転し、実質金利は日本の方が高い状態だ。
これじゃあ円高トレンドが起こるのも当然だな。