中国市場の株の暴落で、なぜ先進国の株が下がった?
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チャイナショックとは、2015年に中国の上海取引所で起こった株価の大暴落(中国株バブル崩壊)と、先進国株式市場の暴落ことだ。
中国株の暴落によって、先進国の株価は、軒並み大幅ダウンに見舞われた。
というのも上海取引所が、急激な下落にビックリして、何日も売買を停止したもんだから、投資家は損切りすることができなかった。
損失を小さくするためにカラ売りヘッジしようにも、上海市場ではカラ売りを値下がり要因として規制していたから、投資家はもう何もできなかった。
上海市場が閉鎖されて、カラ売りヘッジもロスカットもできずに困った外国人投資家は、そこで他の国への投資を引き上げた。
つまり先進国の株を売って現金化し、損失の穴埋めに備え始めたのだ。
それで日本や米国、ヨーロッパの株式市場では、売り圧力が強くなって株価が暴落したわけだ。
大口の投資家というのは、世界中の株に投資していて、途上国にも大金を投じているため、上海という閉鎖的なローカル市場暴落でも、世界中にその影響が及ぶのだ。
こういう暴落で大きな問題となるのが、「金融危機」が発生するかどうかだ。
サブプライムローン問題と、そのあとに続くリーマン・ショックの場合は、危険性の高い金融商品が、いろんな形で世界中のファンドに取り込まれ、世界中の金融機関や投資家に損失をもたらした。
大手証券会社は潰れるし、投資していた金融商品がパアになって、生命保険や年金などの機関投資家も、大損することになった。
そしてお金持ちまで首が回らなくなって節約するようになったため世界中で消費が落ち込んでしまった。
しかし上海市場の暴落では、欧米の金融機関が大損したり、世界中の投資家が大損したわけではない。
上海市場は閉鎖的な市場だったため、中国株投資を組み込んだファンドも少なく、そのために金融危機も起こらなかった。
2016年、中国企業デフォルト懸念 60兆円
2015年の上海市場暴落、いわゆる「チャイナショック」で、先進国の株が大幅下落した。
これは中国株投資をしていた投資家が、中国株での損失を穴埋めするために、先進国企業の株を手放したせいだ。
上海市場は空売りも規制され、売りヘッジもできない状態だったのに、さらに売買も何日もストップした。
そのため、売れない中国株の替わりに、売れる先進国株を売ったと言うことらしい。
また高度経済成長を続けていた中国経済の先行きが怪しくなった。
そこで中国に進出している先進国企業の成長性も疑問視され、中国に投資している企業の株も売られた。
そのため、日本を含む先進国の株は、しばらくの間、調整することとなった。
しかし中国リスクは次第に織り込まれ、2016年にはもう、チャイナショックは、もはや誰も口にしなくなった。
ところが2016年後半には、また別の中国リスクの再燃が懸念されている。
というのも中国企業が発行した、社債の償還時期が、2016年後半に集中しているからだ。
その総額は日本円に換算して、なんと約60兆円もある。
中国の国営企業のデフォルト(債務不履行)は、すでに数件発生しているため、60兆円のうち、どれくらい焦げ付くかに、大きな関心が寄せられている。
中国の大手企業が借りている、総額60兆円の借金のウチ、2割の10兆円が返せないとなると、さすがに金融危機に発展しかねないからね。
中国企業デフォルトが、果たしてどういう影響をもたらすのか、注意深く見守っていく必要がありそうだ。