踏み上げ相場とは
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踏み上げ(ふみあげ)相場とは、カラ売りの買い戻しによって、株価が加速する相場だ。
通常の株取引というのは、売り手と買い手がたくさんいるので、あまり一方的には動かない。
朝の寄りつきで始値が決まったあと、買いが勝るか売りが勝るかで、株価がジワジワ動くし、買い板が厚くなってきたら、大口がドーンと売ってまた下がったりする。
ところがどういうわけだか、ジワジワ株価が上がったあと、急上昇を始める銘柄もある。
材料があって株価が上がりだすと、それに気づいたデイトレーダー達が集まり始め、売り板をどんどん買い上げてしまうからだ。
買いが急激に増えてストップ高に貼り付く5分足チャート
こういう事は、時価総額の小さな、新興市場株ではよくあることなのだが、東証一部銘柄でも、たまに起こる。
それがカラ売りの買い戻しによる「踏み上げ相場」という現象だ。
株価が低迷している銘柄は、良い材料があっても、すぐに株価が下がってしまう。
人気が無い銘柄というのは、ちょっと騰がっても、一週間もすればまた元の水準に戻る。
そこで人気薄銘柄で、カラ売り出来る銘柄には、カラ売りで儲けようというトレーダー達が待ち構えている。
ところが、ちょっとした材料なのに、人気化して株価が大きく上がることがある。
こういう場合、カラ売りが急いで買い戻されるため、株価が急騰し始めるのだ。
貸株注意喚起と逆日歩
人気が無い貸借銘柄は、カラ売りを狙われやすい。
元々人気が無いので、好材料が出て急騰しても、1日2日で織り込まれて沈静化するからだ。
そこでカラ売りを得意とするトレーダーは、高値でカラ売りを仕掛ける。
ところが、人気が徐々に出始め、カラ売り師の予想に反して、株価が下がらずジワジワ上がり始める。
こうなると、売り玉の含み損が、ジワジワ増えていく。
しかし売り方は、「この辺で株価の上昇が止まる」と思ってカラ売りしているので、さらにカラ売りを追加したりする。
そうしているうちに、だんだん貸借(たいしゃく)倍率が小さくなっていく。
貸借倍率というのは、信用買いとカラ売りの比率だが、カラ売りの方が多くなると1より小さくなる。
そして日証金で用意している貸株が、足りなくなってくると出るのが「貸株注意喚起」というものだ。
貸株注意喚起というのは、「貸株が足りなくなってきた」という意味で、その次に「新規貸し出し停止(売り禁)」が出る。
さらには「逆日歩(ぎゃくひぶ)」が付いて、日証金から株を借りている人全員に、追加の品貸し料が課せられる。
そこでカラ売りの買い戻しが増え、株価がさらにどんどん上がっていく。