逆日歩 倍率10倍適用は、異常事態
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ポケモンGOの大ヒットによって、関連銘柄として注目された、サノヤスホールディングス(7022)。
初動の初日こそストップ高に、あっと言う間に貼り付いたが、二日目からはカラ売り勢の猛攻で、揉み合いが続くという展開。
しかしポケモンGOのニュースが、アメリカからどんどん伝わり、社会現象化していることが分かると、カラ売り勢による猛攻をしのぎ、株価はジワジワ上昇を続けた。
そして大量の貸株不足が発生し、貸株注意喚起が出て、初動3日目の7月14日(木)の昼休みには、新規売り申し込み停止、いわゆる「売り禁」が発表された。
さらに貸株不足は354万株にも達し、浮動株よりも貸株の方が多いという、異常事態が発生した。
貸株というのは、日証金が大口の株主(特定株)から、株を借りて来て貸株しているため、浮動株比率が低ければ、浮動株より貸株が多くなっても良いのだが、それにしても異常事態であることは間違いない。
そこで日証金は、木曜日の大引け後に、「品貸し料(逆日歩)の倍率10倍適用」を予告した。
つまり金曜日の申し込み分から、逆日歩の上限を10倍に引き上げますよというお知らせだ。
逆日歩は、売り禁になった時点で、倍率2倍適用になって、逆日歩の上限が2倍に引き上げられる。
さらに「異常な貸株超過状態」で4倍適用、そして「極めて異常な貸株超過状態」で10倍適用になる。
逆日歩の倍率10倍適用は、株の受渡日に株券を用意できない状態で、年に数回くらいしかない異常事態らしい。
品貸し料(逆日歩)の倍率適用目安一覧
三連休前の利確売り・手じまい売りをしのぐ
サノヤスホールディングス(7022)が動意付いてから4日目。
前日の大引け後に、日証金から、逆日歩の倍率10倍適用が発表され、カラ売りの買い戻しによる、大幅ギャップアップで始まった。
ただしこの日は金曜日で、さらに海の日を含めた三連休の前という、非常に売りが出やすい状況だった。
さらに株価も初動前の株価の2倍になり、利益確定売りも出やすい状況だった。
こういうケースでは、前場で高値のピークをつけ、後場は右肩下がりになることが多い。
初動から4日目だし、利確売りが殺到して調整になることも多い。
実際、寄りつきでは、ギャップアップし、節目の400円より高値で始まったが、たびたび大きな売りが出ては、株価を下に押し下げる動きが見られた。
そして後場の1時過ぎには、三連休前特有の大量の売り注文が続いて、マイナスになる直前まで株価が押し下げられた。
サノヤス(7022) 4日目の五分足チャート(7/15金曜 三連休前)
しかしこの日は、日証金から、逆日歩10倍適用の通達が出ており、カラ売りを持ち越すと、逆日歩が最大で1株あたり10円になる。
1,000株カラ売りしておれば、1万円のプレミアムを払わないといけない。
そのため、カラ売りの買い戻しや、両建てのための信用買いが、株価を下支えしたらしい。
その後は売りより買いの力が上回り、午後2時を過ぎると400円台を回復し、ストップ高まで上昇して引けた。
この日の日証金速報では、貸株が70万株減って、融資が32万株増えた。
貸借倍率は少し貸借悪化したが0.17、カラ売り302万株に対して、制度信用買いがわずか51万株で、251万株の貸株不足になっている。
日証金速報(サノヤス 16/07/15)
そして大引け後には、増し担保規制が発表された。