火曜日は、逆日歩3日分デー
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3連休明け、初動から5日目のサノヤス。
増し担保規制初日だというのに、寄りついて10分後には、もうストップ高に貼り付いた。
増し担初日というと、株価がヨコヨコで揉み合うことが多く、10分で貼り付くなんてちょっとビックリ。
増してや、この日は火曜日で、逆日歩3日分デーだったから、高寄りすると大口の利確が続き、寄り天になることも予想された。
というのも逆日歩銘柄をカラ売りしていると、火曜日に持ち越すと3日分の逆日歩がつく(当時)。
それを嫌って、カラ売り側は、火曜日に買い埋めする動きが出やすい。
あるいは逆日歩を相殺するために、制度信用で買いヘッジするとか。
そのため株価が上がりやすく、それに自分の建玉をぶつけて利確しようとする大口トレーダーも多いのだ。
実際、この日も高寄りした直後に、大量の売り注文が出て、あっと言う間に株価が下がった。
このまま下がったりヨコヨコになれば、いつもの増し担初日の動きになる。
ところがそれを別の大口が、現物で拾いまくってストップに貼り付けた。
こうなると、逆日歩3日分を嫌って、買い埋めしようとしていたカラ売り勢も、慌てて買い埋めや買いヘッジに並んだのだろう。
そうしてストップ高に貼り付いたまま、大引けを迎えることになった。
サノヤス 増し担初日の5分足チャート(16/07/19 火曜日)
そして驚くことに、貸借倍率が下がって、逆日歩はなんと最高料率の12円が適用された。
前週金曜日には、10倍適用初日で買い建てが増え、逆に貸株の返済が進んだため、最高倍率10倍なのに、逆日歩が2円しか付かなかったというのに。
火曜日は信用売買にとって特別な曜日
以前、急騰株は、なぜか火曜日に大きく下がることが多かった。
これは信用取引にとって火曜日が、特別な曜日だったからだろう。
というのも火曜日の注文は、4営業日後の金曜日に受け渡しがあり、水曜日の注文は翌週の初めになる。
そのため、逆日歩付の銘柄をカラ売りしていて、火曜日に返済しなかった場合、土曜・日曜・月曜と3日持ち越すことになる。
この3日にも逆日歩が付いてくるため、火曜日にカラ売りを持ち越すと、逆日歩3日分を支払うことになる。
なので売り玉を持っているトレーダーは、火曜日に売り玉を損切りするか、持ち越すかの判断をしなければならない。
そしてそれに対して、利確玉を当ててくるトレーダーも多い。
そのため、火曜日は株価が大きく動きやすくなる。
2019年夏に、受渡日が当日を含めて3日後になったため、現在は水曜日が逆日歩3日分デーに当たる
ところがサノヤスの場合、この売りを吸収して、わずか5分ちょっとの時間で、ストップ高まで買い上げられた。
その結果、売り玉の買い戻しより、買い玉の利確が進んだらしい。
貸株不足は約60万株も増え、貸借倍率(信用倍率)も、0.169から、0.068へ大幅に良化した。
その結果、逆日歩は最高料率12円が適用され、さらに火曜日は逆日歩3日分デーなので、12円×3=36円と言うことになった。
制度信用で1,000株ほど買い建ててたった一日持ち越すだけで、3万6千円の逆日歩がもらえるとは。
逆日歩倍率10倍適用の威力を、まざまざと見せつけられた一日で、サノヤスの掲示板は終日、大盛り上がりだったね。
融資・貸株残高の推移(サノヤス)
※因みに翌日も、逆日歩は満額の12円だった。
売り禁なのに、貸株申し込みが増えているのは、証券会社独自でやっている一般信用でも、買い建てが利確されて、売り玉が残ったためらしい。