現物株売買は、制約だらけ
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信用取引の大きなメリットは、「3倍売買」と「カラ売り」だ。
3倍売買とは、保証金の約3倍まで、株を売買出来るという事で、カラ売りとは、株を持ってないのに株を売れるということだ。
3倍売買は、少ない資金で、多くの銘柄を売買するのに適している。
投資資金が何百万もあるなら、現物株売買でも良いけれど、50万とか100万くらいしかなければ、1銘柄か2銘柄くらいしか買えない。
これではチャンスが来てもたくさん買えないし、ナンピンしようにも資金が足りない。
大化け銘柄に出会うのは、千載一遇のチャンスだから、安値でたくさん仕込みたいが、50万程度の軍資金では、ぜんぜん資金が足りないのだ。
もちろん、信用取引では、たくさん買える分だけ、大損するリスクも多くなる。
株を3倍買えると言うことは、損するスピードも3倍になるから、失敗が続くとあっと言う間に投資資金がなくなる。
しかし大損も慣れてしまえば、どうって事もないって分かってくるし、資金が乏しくなれば、一旦休めば良い。
プロのトレーダー達も、調子が悪ければ、一週間以上休むと言うから、信用取引を、いったん止めて、現物だけで売買しても良い。
しかし一度信用取引に慣れてしまうと、現物株売買が、いかに制約が多いか分かる。
さっさと稼いで、早く信用取引を再開したいと切に願うようになる。
信用取引なら、同じ銘柄を何度も売買出来る
投資資金力が無い個人にとって、信用取引は非常に有り難い。
まず信用取引には、差金決済(さきんけっさい)がない。
差金決済とは、簡単に言うと、株を買ったその日に売って、その差額だけを受け渡しする決済のことだ。
株を買って売って買って売って買って売って、、と言う風に、売買の鞘だけ取っていくような取引になる。
というのも現物株には、「株の受け渡し」があるからだ。
受け渡しとは、株を売買した3営業日後に、株券と代金を交換することだが、これが問題になる。
たとえば30万円で株を買って、それをいったん利確し、もう一度、30万円で買い戻した場合、受渡日には、60万円の代金が必要になる。
ところが投資余力が60万円無ければ、株の受渡日に資金不足になって、売買が成り立たなくなってしまう。
こういうことが起こるため、現物株の同一銘柄の差金決済は、禁止になっている。
(ただしなぜか、別の銘柄の売買をしても良いのだが)一方、信用取引の場合も、2012年までは、差金決済は禁止だった。
たとえば投資余力が100万円なら、330万円まで売買出来るが、一回売買したら、余力が減っていく仕組みだった。
たとえば330万円の余力があって、200万円の売買を一往復すると、その日はもう130万円しか売買出来なかったのだ。
しかし、2013年1月から売買ルールが変わり、信用取引では、何度でも余力を使えるようになった。
また信用取引で得た損益は、即時反映されて売買に使えるようになった。
たとえばデイトレで5万円儲かったら、3倍売買で15万円分の売買が、さらにできるようになった。
つまり信用取引だと、自由自在に資金が使えて、株売買ができるわけだな。