サノヤス、突如ポケモン関連として注目をあびる
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サノヤスホールディングスは、会社四季報によると、旧住友系のサノヤス造船を中核とする企業グループだ。
造船はバラ積み船・タンカーが中心で、他に建設用エレベーターのレンタル、化粧品用の製造機器、観覧車などのレジャー施設建設運営も行う。
時価総額は2016年4月末現在で、およそ56億円という中小企業だ。
前期実績は17億円の黒字だったが、PBRは0.5を大きく下回る低評価株だった。
というのも主力の造船受注が思わしくなく、今期予想が非常に悪かったからだ。
ところがアメリカで「ポケモンGO」という、新しいタイプのスマホゲームがヒットしたために、突然脚光をあびて、株価が急騰した。
というのもサノヤスにはレジャー部門があって、愛・地球博や大阪吹田のエキスポシティに、ポケモン施設を建設運営の実績があったからだ。
そこで一部の投資指南グループが、低PBR株のポケモン関連株としてサノヤスに買い推奨を出したらしく、突然大きな買いが入って、ストップ高をつけた。
サノヤスHD(7022)、突然のストップ高(2016/07/12)
サノヤス、カラ売りで強烈に上値が抑えられる
黒字経営が続いているのに、PBRが0.5以下という、低評価だったサノヤスホールディングス。
ポケモン施設の建設・運営という実績が、脚光をあびて買いが入りストップ高。
ところがその翌日の売買は、ギャップアップで始まったモノの、なぜか上値が押さえられて上昇できない。
こういう急騰株は、翌日もたいてい、すんなりストップ高まで騰がることが多いのに、ストップ高どころか売りが次から次へと湧いてきた。
というのもこの銘柄は、東証一部の貸借銘柄で、カラ売りがいくらでもできたからだ。
カラ売り専門のデイトレーダー達には、このオンボロ造船会社の急騰は、大儲けチャンスに見えたらしい。
だって今期予想はほぼ、プラスマイナスゼロの見込みで、赤字転落もあり得たからね。
そこで、寄りつきこそ大きな買いが入ったが、その後は250-260円で揉み合いが続いた。
このまま株価が下がってマイ転すれば、カラ売り勢の大勝利で、実際10時半過ぎから急落が始まった。
私は寄りつきでこの銘柄を、買い建てしていたので、ヒヤヒヤしっぱなしだった。
ところが後場になると、少しずつ買いが増え始め、大引け前の2時45分過ぎに、また大口の買いが連続して急騰した。
ストップ高の翌日に、ヨコヨコが続いた後、大引けに向けて買いが入るときは、翌日も期待できることが多いが。
この銘柄の場合も同じパターンらしい。
サノヤスHD、ストップ高の翌日の5分足チャート(16/07/13 水曜日)
因みに、上値が軽いはずの銘柄で、こういうヨコヨコが続いている場合は、カラ売りを吸収するくらいの多くの買いが入っていることが多い。
そうしてこの日は実際、272万株ものカラ売り増になっていた。
大引け後には「貸株注意喚起」が出され、翌日は、最高料率の2倍の逆日歩2円が付いた。