仮想通貨・暗号通貨が必要とされる理由
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2017年、仮想通貨・暗号通貨が株式市場でも、本格的なテーマになってきた。
仮想通貨・暗号通貨とは、インターネットを介してやりとりされる「電子マネー」で、日本ではビットコインが有名だ。
ビットコインの他にも、イーサリアムとか、リップルなどと言う仮想通貨・暗号通貨が出回るようになり、これが従来の金融機関のシェアを大きく奪うのではないかと考えられている。
仮想通貨・暗号通貨はもともと、インターネット上の交換手段として考案されたもので、インターネット内の「地域通貨」「金券」みたいなモノだ。
というのも、インターネット上でお金をやりとりする場合、金融機関を通すと、手数料が嵩んでしまい、少額取引が難しいからだ。
クレジットカードを使っても、3~6%くらいの手数料がかかってしまうし、海外送金する場合も、為替手数料や銀行の手数料で、送金コストが数千円もかかる。
これは国内の銀行→国内の国際銀行→外国為替取引→外国の国際銀行→外国の銀行という風に、いくつもの金融機関が送金を仲介するからだ。
これでは、手数料ばかり取られて、少額商品やサービスの売買取引には使えない。
インターネットを通じて、外国と盛んに売買が為されるようになる以前は、これでも良かったのだろうけれど、インターネット取引が盛んになった昨今では、従来の金融システムでは、何かと割高になってしまうわけだ。
そこでこういう金融機関の仲介や為替取引を使わずに、インターネット内だけで使える仮想通貨・暗号通貨があると便利だなと言うことで、2016年辺りから急速に注目を集め始めたのだ。
2017年現在では、ビットコイン、イーサリアム、リップルという三つが三大仮想通貨・暗号通貨と呼ばれている。
ビットコイン、イーサリアム、リップルとは
2017年時点での「世界の3大仮想通貨・暗号通貨」は、「ビットコイン(BTC)」「イーサリアム(ETH)」「リップル(XRP)」の三つだ。
このうち、2009年1月に誕生したネット内通貨の「ビットコイン」が、時価総額最大となっており、さらにマウントゴックス事件が世間を賑わせたため、仮想通貨・暗号通貨と言えばビットコインの名前がよく挙げられる。
このビットコイン(BTC)は、サトシ・ナカモト(中本哲史?)という研究者の論文を元に作られた仮想通貨・暗号通貨で、元々はネットゲームのアイテムの交換などに使われるゲームコインの一種であった。
ところがこれがあるとき、ビットコインと現物のピザを交換してくれないかという提案が有り、それに応じた者がいたため、現実社会で使える通貨の機能を持ち始めたという。
そうして、だんだん現物との交換に使われるようになり、ビットコインを売買する「交換所」と言われる場所も誕生した。
480億円分のビットコインが消え失せたと世間を賑わせたマウントゴックスも、ビットコイン交換所だ。
一方、イーサリアムとは、ビットコインの次に時価総額が大きな仮想通貨・暗号通貨だ。
ただしビットコインと比べると、8分の1から10分の1くらいのもので、まだまだ規模が小さい。
第三位の仮想通貨・暗号通貨であるリップルも、さらに時価総額が小さく、ビットコインの数十分の1くらいの規模だ。
2017年1月時点で、ビットコインの時価総額は7,000億円規模であるが、イーサリアムは700億円規模、リップルは200億円規模で、トップ3の合計でも8,000億円規模に過ぎない。
ただしこれは、仮想通貨・暗号通貨の総計であって、取引されている金額の総計ではない。
時価総額が8,000億円でも、一年間で10回転すれば80兆円であり、実体経済に与える影響も大きい。