大調整と暴落、何が違う?
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株式相場が上昇しているとき、どこでピークを迎えるかは重要な関心事だろう。
というのもピークを過ぎると、大幅な調整か暴落が待っているからだ。
相場というのは、買い側と売り側のバランスで決まるが、ピークで売り買いのバランスが崩れると、売り一辺倒になってしまって、大調整や暴落になることが多い。
ここで言葉をとりあえず定義しておくと、
- 大調整…数日から数ヶ月続くが、株価は15%くらいの下落で止まる
- 大暴落…1年以上にわたって下落トレンドが続き、50%以上の下落。
と言う感じかな。
実際にどういう感じになるのか、日経平均の月足チャートで確かめよう。
日経225平均株価 月足チャート 90年代
日経平均は1989年に、38,957円という高値をつけ、1992年に14,194円の安値をつけている。
14,194÷38,957=0.3643 だから、約63%の下落だ。
また2000年には、ITバブルで、20,833円の高値をつけたが、バブルが弾けて光通信などは20営業日連続ストップ安というとんでもない投げ売りが発生し、2003年には7603円の安値をつけている。
このときは、7,603÷20,833=0.3649 だから、約63%の下落になっている。
日経225平均株価 月足チャート 00年代
東証一部で新高値が300超えるとピークが近い?
大暴落から下落トレンド入りすると、日経平均株価は50%以上は下がる。
90年代のバブル崩壊や、00年代のITバブル後の下落は、いずれもピークから60%以上下げた。
その後も2007年のBNPパリバショック(サブプライムローン問題)の年も、高値が18,300だったところから、リーマンショックを経て2008年に6,994円まで下落している。
6994÷18300=0.3821 なので、このときは約61%の下落だった。
ではどういう時にこういう大暴落トレンドが起こるのかというと、「投資家が、調子に乗って、投資資金を目一杯、使っているとき」らしい。
株価が右肩上がりでグングン上がって行くときに、投資家が手持ち資金を全部株にぶち込む。
さらには信用取引でレバレッジをかけて目一杯買ってしまう状態になると、どこかで買いの資金が尽きて、売るしか無い状態が発生して暴落が始まるってことだ。
なので、信用買残がどんどん積み上がって高水準になると、バーストに気をつけるべきってことだろう。
日経225平均株価 月足チャート パリバショック以降
一方、短期的な株価のピーク、大調整の場合は、新高値銘柄数がヒントになるという。
というのも東証一部銘柄は約2,000銘柄あるが、新高値更新(年初来高値)銘柄が300を超えるのは年に一回あるかどうかだという。
2,000銘柄中300銘柄ということは、全銘柄の約15%以上が高値を買い上がられていると言うことで、さすがにこれは年に一回くらいしかない商状ってことらしい。
もちろん300を超える日は1日だけでもないのだが、最初に300を超えた日から2週間以内に日経平均もピークになることが多いらしい。
これも覚えておくべき目安だね。