黒字で配当もあるのに、PBRが0.3という低評価企業
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ポケモンGOの米国でのヒットを受け、関連銘柄として注目された、サノヤスホールディングス(7022)。
バラ積み船・タンカーを建造するサノヤス造船を中核とした企業グループだ。
サノヤスは、黒字経営が続いていて、配当もきちんと出しているのに、人気が無く株価はずっと低迷していた。
PBRも解散価値である1を大きく割り込んでいた。
PBR=1だと、株価は580円になるのだが、初動前は170円でPBRはなんと0.3。
こんな埋もれた銘柄が脚光をあびたのは、傘下にレジャー関連企業があり、ポケモン施設を運営していたからだった。
PBRを基準とした株価が580円なのに、200円前後の株価であったから、とんでもない割安株だったのだ。
なので私も騰がると思って、初動2日目の寄りつきで成り行き買いした。
ところがこんな割安株なのに、なぜだか株価がなかなか上がらない。
前日ストップ高だったし、2日目もストップ高でもおかしくないのに、なぜか35円高で寄りついて、そのあとは250円と260円の間で、延々と揉み合い商状が続いた。
初動2日目の5分足チャート
というのもこの銘柄は、東証一部の貸借銘柄で、いくらでもカラ売りできる状態だったのだ。
そしてこんな不人気銘柄が、多少吹き上がったとしても、すぐに元の鞘に収まるだろうと、大量のカラ売りが入ったらしい。
その結果、初動2日目は、買い建ての増加は40万株しかなかったのに、カラ売りは一日でなんと210万株も増えた。
3日目も貸株は100万株増え、昼休みには新規貸株停止、大引け後にはなんと、逆日歩倍率10倍適用が発表された。
サノヤス 融資・貸株残高詳細 その1
マイナー企業だったサノヤスが、突如、毎日報道される
黒字経営で配当もあるサノヤス。
造船以外にも、観覧車の建設や、アミューズメント施設の運営などにもビジネスの範囲を拡げてきていた。
株価は低迷しPBRも、0.3と、非常に低い評価を受け続けてきた。
しかし愛・地球博や大阪のエキスポシティに、ポケモンジムを建設・運営した実績があり、ポケモン関連企業として取り上げられ、人気化した。
ところがこんな不人気な低位株が、そんなに買われるはずがないと、高をくくったカラ売り専門のトレーダー達は、サノヤスの株価上昇に、大量のカラ売りを浴びせてきた。
その結果、初動から3日間で、354万株もの貸株不足が発生した。
そこで貸株を供給する日証金は、この貸株不足を緊急事態だと判断し、新規貸株申し込み停止(売り禁)と、逆日歩の倍率10倍適用(上限を10倍に引き上げ)を発表した。
そのため翌4日目(7/15金)には、逆日歩10倍目当ての買い建てが増え、貸株の返済も進んだため、貸株不足が100万株改善した。
そして大引け後に日証金から、増し担保規制が発表されたが、これが逆に買い建てを減らす一助となった。
サノヤス 融資・貸株残高詳細 その2
初動5日目・増し担規制初日は、火曜日(逆日歩3日分デー)という微妙な日だった。
急騰銘柄は増し担規制初日をしのがないと、そこでピークになることが多いからだ。
しかし、寄りつきこそ大きな売りが出たが、買いが入ってストップ高に貼り付いた。
このわずか10分の間に、増し担を嫌った売りで買い玉が大きく減り、貸株不足が再び約309万株に拡大した。
その結果、逆日歩は10倍最高料率の12円×3日分=36円が付くことになった。
その後も、利確売りが出やすい株価2倍日も、買いが大きな売りを吸収しながら株価は上昇。
その間、貸株不足はなかなか解消されず、上限が10倍に引き上げられた逆日歩も、満額が付くという異常事態が続いた。
そうして初動8日目の7月22日(金)、とうとう日本でもポケモンGOがリリースされ、サノヤス相場も3週間目に入ることになった。
さてサノヤスの株価は、果たしてどうなる?