東芝工場、停電で株価下落

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阪神淡路大震災や東日本大震災など、大災害が起こると株価は大きく下がる。

 

しかしそういう大災害でなくても、ちょっとした事故や事件で、株価が大きく下がることもよくある。

 

たとえば昔の話だが、東芝の主力製品のメモリー工場が電気系統のトラブルで、操業停止になったことがあった。

 

このニュースが伝わると、400円台だった東芝の株価が、あっと言う間に10円ほど下がった。

 

新興市場株なら、10円くらい下がるのはよくあることだが、東芝のような大企業の株があっと言う間に10円下がるのは珍しい。

 

というのも主力の半導体工場が止まると、売り上げが減ったり、納期が遅れたりするので、そのために利益が減るんじゃないかって事で、リスク回避のために株が売られたらしい。

 

当日の報道では、何が問題だったのか分からず、復旧が遅れると、最大2割の減産被害総額は最大で100億円だとか流れた。

 

100億円の損害なら、確かに株を売りたくなるが、実際に東芝の工場に何が起こっていたのかというと、電力会社がほんの一瞬だけ停電を起こし、そのせいで工場の機械が一つ壊れただけだった。

 

電気が止まったのは、わずか0.07秒のことで、しかも壊れた機械は「空気清浄機」だった。

 

半導体というのは、細かなチリや、汗などに含まれるナトリウムがついても、品質が落ちる。

 

なので空気清浄機が壊れたら、製造ラインが止まる仕組みになっていたらしい。

 

幸い停電が起こったのが金曜日で、土日の間に対策を行ったため、月曜日から操業を再開したが、株価というのは、こういう風に、何かあるとすぐに下がってしまうものだ。

 


たかが空気清浄機の故障で、株価2%以上マイナス

株価というのは、好材料があれば上がるし、悪材料があれば下がる。

 

材料がないときは、ジワジワ上がるか、逆にジワジワ下がる。

 

なので東芝の工場が、たった0.07秒の停電で半導体工場が操業停止になったときも、株価はあっと言う間に10円ほど急落した。

 

もちろん東芝だって、急な停電に備えた対策は施していた。

 

半導体工場は、ミクロン単位で加工する超絶精密機械の集合体みたいなモノだから、UPS(無停電電源装置)などの装置をつけて、工場の精密機械が壊れないように準備していた。

 

突然の電圧変化があっても操業出来るように、一旦電池に電力を蓄えてから、それを使うような仕様になっていた。

 

ところが半導体を製造するクリーンルームの空調設備には、そこまでの備えをしていなかったらしい。

 

半導体は、フケとか汗などに含まれるナトリウムや、化粧品に含まれる揮発性物質があると、不良品がたくさんできてしまう。

 

歩留まりが下がって不良品率が上がると、利益が出なくなってしまう。

 

そのため強力な空気清浄機で、徹底的にクリーンルーム内のチリを取り除くわけだが、空気清浄機が壊れて故障したために、チリが増えて製造ラインが止まった。

 

そしてクリーンルーム全体の再クリーニングにかなりの時間がかかるため、復旧まで3日間も必要になったと言うことらしい。

 

こういう風に、大震災や大災害がなくても、減益をイメージさせるような事件があれば、2~3%の下落は当たり前のように起こる。

 

東芝の工場は、翌週に復旧したため、株価は数円ほど反発した。

 

しかし復旧のめどが立たなかったとしたら、株価はさらに下がっただろうから、、事件があったらすぐに株を売るのは、至極当然のことだと思った方が良いだろうね。

 


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