増し担になると、株価は揉み合うか下がることが多い、が、
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逆日歩の倍率10倍適用となった、サノヤスホールディングス(7022)。
3連休前の金曜日という、株が売られやすい日をしのいだが、大引け後に「増し担」(ましたん)が発表された。
増し担とは、信用売買する際に必要な保証金を増額するという信用規制だ。
株価が急騰して信用取引が増えすぎると、それを沈静化するために規制が実施される。
通常のケース、保証金は、株価の30%あれば信用売買できる。
それを50%に引き上げるというのが、増し担という信用規制だ。
たとえば100万円分の株を信用売買する場合、30万円の保証金を用意すれば良い。
しかし保証金率50%の規制がかかると、100万円分の株の信用売買するには、50万円の保証金が必要になる。
なので増し担規制がかかると、通常は、買いの勢いが減って、株価は下がり気味になる。
なので3連休明けのサノヤスは、増し担規制初日が非常に重要だった。
増し担初日をしのいで騰がれば、株価はまだまだ上を目指すが、ここで下がれば急騰相場はいったん終わりだ。
いくら強い材料があって急騰している株でも、増し担の初日は、手じまい売りが、どれくらい出るのか様子見になることが多い。
大口や仕手筋は、売りが終わるまで様子見をし、それから改めて動くことが多いので、後場の2時過ぎくらいから動き始める。
つまり、増し担初日は、ストップ高翌日と同じく、株価がヨコヨコで動くことが多くて、後場の2時とか2時半くらいから大きく動くのだ。
なので三連休中は、いったいどうなることやと、ずーーーーーーっと気になっていたのだけれど、実際に明けてみると意外な展開が待ち受けていた。
というのも、高値で寄って大きな売りが出た後、大きな買いが連続してストップ高に貼り付いて、そのまま大引けを迎えたのだ。
サノヤス 増し担初日の5分足チャート(16/07/19 火曜日)
ええ?なんだこれ?いったい何が起こったんだ?
貸借良化狙いの売り?
逆日歩の倍率10倍適用が実施され、さらに増し担になったサノヤス。
増し担初日の株価の動向が、今後の株価の行方を占うことになる。
こういう急騰銘柄は、動意付いて4~5日もすれば、たいてい増し担保規制がかかる。
売買が過熱しすぎなので、増し担で売買を減らすのが目的だ。
なので増し担になると、買いの勢いが衰えて株価が下がりやすい。
なのでさらに株価が上がるには、増し担を乗り切ることが重要だ。
しかしサノヤスの増し担初日は、意外にあっけなく終わった。
高寄りしたあと、大口の売りが5分間続いて大きく下がった後、すぐに新しい買いが大量に入って、あっと言う間にストップ高に貼り付いたのだ。
3連休のあいだ、どうなるかヤキモキしていたが、あっけなさ過ぎて、いったい何が起こったのか、皆目見当が付かなかった。
ところが夜、日証金速報が出て、何が起こったのかハッキリした。
買い建てが大きく返済されて、貸借倍率が急に下がっていたのだ。
そして翌日の午前10時30分過ぎに発表された逆日歩は最高料率12円×3日分で、なんと36円!
品貸料率 詳細情報の推移 (サノヤス 16/07/20)
1,000株を買い建てて、たった一日持ち越すだけで、なんと3万6千円もの逆日歩!これが逆日歩倍率10倍適用の威力なのか。
つまり、この日の寄りつきの大陰線は、貸借倍率を下げるために、買い玉の一部を一気に利確して、他のトレーダーの利確売りを誘ったらしい。