底値なんか狙えない
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株式投資の本などを読むと、底値で買って高値で売れ、なんて言うことが書いてある。
日足チャートなんかを掲載して、ここで買って、ここで売ればいい、なんていいう風に書いてあることもある。
このとき、最安値付近が底値(そこね)で、最高値付近が高値だ。
しかし実際株式投資を始めて見ると、こういうのは理想でしかない。
底値で株を買うというのは、そう簡単なことではなく、狙って底値を買うのはまず無理だ。
たとえばトヨタはリコール問題で、株価が何割も下がることがよくある。
そして年初来安値くらいの株価をずっとウロウロしているので、これ以上下がることはないと思って買いつけた。
つまりそこが恐らく底値で、これから株価は上がると思ったわけだ。
ところが実際には、株価はさらに下がり続けた。
というのも悪い材料があると、さらにそれを裏付ける材料が出たり、状況がさらに悪化しそうなニュースが、後から後から追加で出てくるからだ。
株価が下がった後にヨコヨコに動いていても、「下げの一服」である事が多くて、悪材料が出尽くすまでには、かなり時間がかかるものなのだ。
そのため、問題があって株価が下がった後、「そろそろ底値だろう」と思って買いに入ったとしても、さらに一段安になって損になってしまう。
どこが底値だったかどうかは、株価が上昇し始めた後に分かることなので、底値なんか狙えないし、狙うべきでもないのだ。
少なくとも、悪い材料が出たあと数ヶ月は、株価は上がらないと思った方が良いだろう。
トヨタ自動車(7203)の日足チャート例
リバウンド・底値狙いの欠点、上値が重くなる
底値狙いはなかなか難しい。
というのも企業に問題がある場合は、悪い材料が続いて出たりするからだ。
下落が止まって一服しても、また悪材料が出て一段安になる。
地合いが悪くて下がっている場合は、すぐに株価が戻ることもあり得るが、一旦下がった株価が、急に回復するのはあまり期待することはできない。
というのも特に何の材料もないのに、株価が上がると言うことは無いからだ。
「この株は安すぎる」と思って買う人も多いが、一旦大幅下落した株価は、そう簡単には上がらない。
というのも高値で株を買った人が山ほどいると、株価が少し回復するたびに、売りが出て株価が押し下げられるからだ。
これを「ヤレヤレ売り」などと言う。
大幅下落した株の株価が回復して、塩漬けになっていた株を「ヤレヤレ」と手放すからだ。
こういう売りが次から次へと出る状況を「上値(うわね)が重い」と表現する。
株価が上がるたびに、息を吹き返す高値づかみホルダーがいるため、たとえ底値で株を買えたとしても、株価はなかなか上がっていかないのだ。
底値狙いが難しい、あるいは儲からないのは、
- 一段安もある
- ヤレヤレ売りで上値が重い
もちろん、買い手がたくさん現れると、株価はグングン上がるものだけれど、上値が重そうな銘柄は敬遠されるから、そう簡単には買い手は増えない。
というのも、上値が軽い、他の株を買った方が期待出来るしね。