イギリスEU離脱投票で、一喜一憂の東京株式市場
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イギリスのEU離脱を問う国民投票が2016年6月23日に行われ、開票作業の結果、離脱派が勝利した。
この開票作業は、イギリスでは夜だったが、日本では株式市場が開いていたため、大きく株価を揺さぶった。
まず日経平均は、イギリスから伝わるニュースで、大きく揺れ動いた。
たとえば10時少し前に「離脱派有利」の一報が入り、日経平均株価は一気にマイナスに転じ、400円安まで下がった。
ところが、今度は「残留派がリード」というニュースで、あっと言う間に400円安から、プラスマイナスゼロまで株価が回復した。
日本の投資関係者の大方の予想は、「残留派」が勝つというもので、どうも残留派が最後には勝って、株価が再浮上するようなムードが漂っていた。
ところがどうもその楽観予想は、全く根拠がないものだったと市場が気づき始めたのか、ジワジワと売り優勢になり、マイナス500円の大幅下落で前引けした。
そして昼休みの間に、離脱派の勝利がほぼ確実になり、後場の寄りつきからは売りが殺到した。
その結果、一時は1,300円を越える下げになり、サーキットブレイカーが作動して売買が停止した。
イギリス国民投票の開票で激しく動く日経平均の5分足チャート
日本の株式市場でも16年ぶりという、大暴落で一日が終わった。
なぜか新興市場まで、日経平均と同じ動きに
イギリスのEU離脱投票の開票で、日経平均株価は激しく上下した。
結果的には1,200円を越える、大暴落で終わってしまったわけだが、不思議なことに新興株も、同じような動きになってしまった。
イギリスがEUを離脱して影響を受けるのは、イギリスに製造拠点を置く企業の銘柄だ。
たとえば日産自動車は、ヨーロッパ向けの自動車生産をイギリスで行っている。
そのため、日産自動車は、離脱によって大きく影響を受ける。
その日産自動車の5分足チャートは、こういう感じで動いた。
日産自動車の5分足チャート
一方、バイオベンチャーが多い、東証マザーズ指数はこんな感じで動いた。
東証マザーズ指数の5分足チャート
日経ジャスダック平均は、こんな感じ。
日経ジャスダック平均の5分足チャート
輸出企業の多い日経225平均が、ドル円の為替レートに敏感に反応するのは、ある意味当然だ。
しかしほぼ国内でビジネスをしている新興市場の株まで、こんなに連動して動くというのは、初めて見た。
東証一部が大暴落しても、新興市場は無風だったりするのに、ここまで連動して動くのは珍しい。
翌日に「追証売り」の影響で、暴落することはあるのだけれど。